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講 座
第
5 10
古 文
(1)
10
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。 昔、孫 そん叔 しゆく敖 がうといふ人、幼少の時に、外へ出 いでて遊びければ、二つの頭 かしら
のある蛇 くちなはを見たり。日本にいふ日ばかりのたぐひなるべし。その時に、その子の母が、﹁なんぢはいかなる子細ありてか、かくものを食はずして泣くぞ。﹂と問ひけるほどに、叔敖こたへていはく、﹁今日われ両頭の蛇を見ければ、明日まで命を延 のぶべからず。﹂と言ひけるを、母もとより世にすぐれたる人なれば、ほかの事を聞き入れずして、まづ﹁その蛇はいづちにかある。﹂と問ふ。叔敖がいはく、﹁両頭の蛇を見るものはかならず死すと、日ごろより聞きおよびしゆゑに、他人のまたこれを見ん事をおそれて、地に埋 うづみける。﹂と言ふ。母、この言 ことばを聞きていはく、﹁うれふることなかれ。なんぢは死ぬまいぞや。そのゆゑは、人として陰 いん徳 とくあれば陽報あり、天はたかけれども、ひきき地のことをよくきけり、徳
は
不 ふ祥 しやうにかち、仁は百 はく禍 くはをのぞく、といふ事あれば、なんぢは死せぬのみならず、あまつさへ楚 そ国におこらん。﹂と言ふ。成人してのちに、はたして令 れい尹 ゐんといふ官人になれり。︵﹃実 じつ語 ご教 きょう童 どう子 じ教 きょう諺 げん解 かい﹄︶ *1孫叔敖=楚国の人。 *2蛇=へび。 *3
。。 *8おこらん=出するだろう世 の臣*の位高最大国=尹令9楚 明い良なから陽=報6* い報こ。 =。といくよな祥不7* くむ 隠。い行いよたれ=徳帰 *4その時家に=っ*た5陰 。 時 くか 名じられたことらこのかがるが、実際は無毒。あ 蛇れまか。りの形小=らかたかそしば信といなか日 の命のりば日 びへ
1
*1
*2*3*4
①
②
*5
*6
*7
*8
*9 問一 文中から抜 ぬき出した次の語句のうち、歴史的かなづかいと現代かなづかいが同じものを一つ選び、記号で答えなさい。ア なんぢはいかなる イ 問ひけるほどにウ こたへていはく エ 聞き入れずし
て 問二 線①﹁ものを食はずして泣くぞ﹂とありますが、泣いている理由として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 明日もかならず蛇に襲 おそわれると思ったから。イ 自分のせいで母親が命を落とすと思ったから。ウ 自分は間もなく死んでしまうと思ったから。エ 蛇が長くは生きられないだろうと思ったから
。
問三 線②﹁地に埋みける﹂とありますが、叔敖がこのようにしたのはなぜですか。現代語で二十五字以内で書きなさい。
問四 この文章の内容と合っているものを次のうちから一つ選び、記号で答えなさい。ア 叔敖は優 すぐれた人格を持っていたので出世した。イ 叔敖は蛇の恩返しのおかげで大臣になった。ウ 叔敖は母の言いつけを守ったので出世ができた。エ 叔敖は蛇を退治した功績によって高い地位を得た
。
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5
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。 左 さ近 こんの将 しやう監 げん源 みなもとの乗 のり邑 むら朝 あそん臣、東の執 しつ事 じ職にて勢ひ猛 まうなりし頃 ころ、都へ登ると
て
近 あふみ江の国草 くさ津 つと云 いふ所を過ぐるに、此 こ所 この姥 うばが餠 もちといへるは、昔より名高き家にて在りしを、そこに立ち寄りて、いささか旅の疲 つかれを休められけるに、内より例の姥出 いづるを見れば、齢 よはひ七十に近きが、腰 こしは蝦 えびのやうにかがまり、黒き顔に白き髪 かみのかかりたるを、片手にてかきやりつつ、古き高 たか坏 つきの欠け損じたるに、餠を盛り入れて捧 ささげ出でたり。﹁此 この餠は清きか。﹂と問はれければ、姥面 おもてをふり上げて、殿 とのには目をふさぎてきこしめせ。世の中に何かきたなきものは侍 はべらん。あまりにふかく求むれば、清きと申す物は候 さふらふまじといひしかば、賤 いやしき姥なれども、かしこくも我を諫 いさめけるかなと、深く感ぜられしとぞ。︵﹃落 おち栗 ぐり物 もの語 がたり﹄︶ *1
。る *諫めけ5=いましめた い *4高坏=平皿に高脚け。器た食付を しあ 在の国草津=現津の滋賀県草3市。江近* しが 。名職官=職事執2* 敬。称 近将監源乗邑朝臣=松平乗邑。左左 将たと称、は﹂臣朝。﹁監近し まつょだいらしう
問一 線①﹁名高き家﹂とありますが、どんなことで有名なのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 位の高い客が来ることイ おいしい餠を出すことウ ゆっくりと休めることエ かしこい姥がいるこ
と
問二 線②﹁此の餠は清きか﹂とありますが、源乗邑がこのように
2
*1*2
*3①
*4②
③
*5④ 姥に聞いた理由として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 姥の白い髪が餠に入っていることに気がついたから。イ 姥が餠に古い食器のかけらを付けて出してきたから。ウ 姥の様子や持参した食器が不潔な感じがしたから。エ 姥が自分を利用するために餠を出したと思ったから
。 問三 線③﹁きこしめせ﹂の現代語訳として最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 召 めし上がれ イ お聞きなさいウ 催 もよおしなさい エ お休みなさ
い 問四 文中に姥の語っている部分があります。その初めと終わりの三字を書き抜 ぬきなさい。
∼
問五 姥の語っていることは、どんなことですか。現代語で簡潔に説明しなさい。
問六 線④﹁深く感ぜられし﹂とありますが、源乗邑はどんなことに感動したのですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。ア 他人への悪行は隠 かくしてもすぐ明らかになるということイ 老人の主張に同調すると思わぬ失敗をするということウ 何事も深く求めないと真理には到 とう達 たつしないということエ 賤しい姥でも道理にかなった忠告をするというこ
と
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5 10
15 20
25 30
次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。 そのころは日課として小説を書いている時分であった。飯 めしと飯の間はたいてい机に向 むかって筆をにぎっていた。静かな時は自分で紙の上を走るペンの音を聞くことができた。伽 が藍 らんのような書 しょ斎 さいへは誰 だれも入ってこない習慣であった。筆の音にさびしさという意味を感じた朝も昼も晩もあった。しかし時にはこの筆の音がぴたりとやむ。またやめねばならぬおりもだいぶあった。その時は指の股 またに筆をはさんだまま手の平へあごをのせて硝 ガラス子越 ごしに吹 ふき荒れた庭を眺 ながめるのが癖 くせであった。それがすむとのせたあごを一応つまんでみる。それでも筆と紙がいっしょにならない時は、つまんだあごを二本の指で伸 のしてみる。Ⅰ縁 えん側 がわで文鳥がたちまち﹁ちよちよ﹂と二声鳴いた。 筆を置いて、そっと出て見ると、文鳥はわたしの方を向いたまま、止まり木の上から、のめりそうに白い胸を突 つき出して、高く﹁ちよ﹂といった。わたしはかごの傍 そばにしゃがんだ。文鳥はふくらんだ首を、二、三度縦横に向け直した。やがて一かたまりの白いからだが、ぽいと止まり木の上を抜 ぬけ出した。︵ A ︶と思うと、きれいな足の爪 つめが、半分ほど餌 え
壺 つぼの縁から後ろへ出た。小指を掛 かけてもすぐひっくり返りそうな餌壺は、つり鐘 がねのように静かである。︵ B ︶なんだか淡雪の精のような気がした。文鳥はつとくちばしを餌壺のまん中に落とした。そうして、二、三度左右に振 ふった。きれいにならして入れてあった粟 あわがⅡかごの底にこぼれた。文鳥はくちばしをあげた。のどの所でかすかな音がする。また、くちばしを粟のまん中に落とす。また、かすかな音がする。その音がおもしろい。静かに聞いていると、丸くて細やかで、しかも非常にすみや
1
*1
①
㋐
②
㋑
㋒ かである。菫 すみれほどの小さい人が、黄 こ金 がねの槌 つちで瑪 め瑙 のうの碁 ご石 いしでもつづけざ
ま
にたたいているような気がする。くちばしの色を見ると、紫 むらさきを薄く混ぜた紅のようである。その紅がしだいに流れて、粟をつつく口先のあたりは白い。象 ぞう牙 げを半透明にした白さである。このくちばしが、粟の中へはいるときは、非常に早い。左右にふりまく粟の珠 たまも、非常に軽そうだ
。
︵ C ︶かごの底に飛び散る粟の数は、幾 いく粒 つぶだかわからない。それでも、餌壺だけは、寂 せき然 ぜんとして静かである。︵ D ︶重いものである。わたし
は
そっと書斎へ帰って、ペンを紙の上に走らせることにした。縁側では文鳥が﹁ちち﹂と鳴く。おりおりは﹁ちよ、ちよ﹂とも鳴く。外では木 こ枯 が
らしが吹いていた。︵夏 なつ目 め漱 そう石 せき﹃文鳥﹄︶ *1伽藍=僧 そうたちが仏道を修行する寺院の建築物のこと。 *2寂然=静かなさま。
問一 線㋐∼㋔の漢字の読みをひらがなで書きなさい
。 ︵
×点4
︶5
問二 Ⅰ・Ⅱにあてはまる言葉として最も適当なものを次のうちから選び、それぞれ記号で答えなさい
。
︵6
点×
︶2
Ⅰ
ア だから イ しかもウ または エ する
と
③④⑤
㋓
㋔
*2
⑥
㋐れた㋑㋒
㋓く㋔
得点
100点
総
合
問
題
(1)
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Ⅱ
ア そろそろと イ はらはらとウ きらきらと エ はたはた
と 問三 この文章には、次の一文が抜けています。文中に戻 もどすとすると
、
︵ ︶A∼Dのどこに入れるのが最も適当ですか。記号で答えなさい
。
︵8
点︶ さすがに文鳥は軽いものである。
問四 線①﹁筆の音にさびしさという意味を感じた﹂とは、どういうことですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい
。
︵10
点︶ア ひっそりと静かな場所で使う筆からは、さびしそうな音が出ていたということイ 筆の音が聞こえるほどの静けさの中に一人でいることを、さびしく感じたということウ 小説を書くことに集中できず、自分で使う筆の音がさびしく聞こえたということエ もうしばらくすると筆が進まなくなることが予感され、さびしい思いになったということ
問五 線②﹁筆と紙がいっしょにならない﹂とは、どういうことですか。最も適当なものを次のうちから選び、記号で答えなさい。
︵8 点︶ア ペンのインクが紙の上でかすれてしまうということイ 手が疲 つかれてしまってペンを持てないということウ 体を動かしたいという思いが頭を離 はなれないということエ 小説を書き進めることができないというこ
と
問六 線③﹁菫ほどの小さい人﹂、④﹁黄金の槌﹂、⑤﹁瑪瑙の碁石﹂は、何をたとえたものですか。それぞれ文中の言葉を使って書きなさい
。
︵6
点×
︶3
③ ④
⑤
問七 線⑥﹁そっと﹂には、﹁文鳥﹂に対する筆者のどんな気持ちが表れていますか。次の︹ ︺にあてはまる言葉を書きなさい。
︵完答
12点︶
文鳥を
という 気持ち
次の 線部を正しい敬語表現に直して書きなさい
。
︵4
点×
。とかすましたいにらちど茶紅とーヒーコはたなあ⑴ ︶3
⑵ わたしの母がお宅にお行きになります。
⑶ 校長先生が教室に来た。